物語を失った世界

かつて多くの文化圏で太陽は神として崇められていました。
エジプトのラー*1ギリシャヘーリオス*2、日本の天照大神*3などなど
数え上げれば切りがありません。
少し前まではおじいちゃん、おばあちゃんが
日輪さまといって朝日を拝むのも自然なことでした。(笑)


一方現代に生きる人は太陽は神ではなく、
銀河に存在し核融合反応を行っている
無数の恒星のひとつにすぎないこと*4を知っています。


世界は魔術的な世界の弊害から脱する代償として物語を失い、
人はただの偶然の産物になったのです。


今の日本はと言えば
「君の代わりはいくらでもいる」
などといわれ、大げさにいえば
人はスキルを提供する部品として扱われています。
不要になれば切り捨てられるようになったのです。


高度経済成長期の企業という共同体が崩壊すると
その代わりに自分の人生に物語を
与えてくれるものを人は求めはじめます。


ある者は大成功して大金持ちになろうとし、
ある者はインターネットの世界にのめり込み、
ある者は見えない世界にはまりこみます。


三者三様まるで別物のようですが、
共通するのは孤独だということです。
(中途半端(笑)というか、適度なら問題ないと思います)


家族を始めとして、ご近所づきあい、学校や会社の人との関わり…。
ごく自然な人と人との関わりの大切さがいずれ見直されることでしょう。


世界が物語を失ったとはいえ
人の社会は人と人との信頼で成り立っているのですから・・・。